混合事例MIXED CASE

[混合事例紹介] 明度測定によるSANMIXの評価

2022/07/22


今回は以前、技術情報ブログでご紹介いたしました明度測定を用いた混合度評価方法でSANMIXの特性を試験しました。(参照:混合度の評価方法2)

これは日本粉体工業技術協会殿1)が制定された手法で、白い炭化カルシウム(明度成分)と赤い酸化鉄(暗度成分)を使用します。

両者が良く混ざるほど混合物は白から赤に近づいていき、明度は低下します。その明度を測定することで混合の進捗を評価するのが、この方法です。

表-1に実験条件をまとめます。

表-1 実験条件_炭酸カルシウム+酸化鉄

また図-1に混合時間と明度の変化をまとめます。

図-1 炭酸カルシウム+酸化鉄の混合物の外観変化

この評価方法では基準となる最終明度として混合物にアセトンを加えて乳鉢で湿式混合し、アセトンを蒸発除去した後測定した明度を設定しています。

最終明度をLstd、炭酸カルシウムの明度をL0、所定の時間における混合物の明度をLとすると

その時の混合到達度ηは次式で表されます。

$$η = \frac{L_0 – L}{L – L_std}$$

このようにして求めた混合到達度を図-2に示します。

また参考文献2)より引用した他の混合機の混合特性と当社のSANMIXの特性を比較した結果が図-3となります。

図-2_混合到達度及び明度
図-3_他の混合機との混合特性の比較

一般的な容器回転式混合機では凝集体を解砕する能力が低いため、酸化鉄のように凝集体を含む粉体の混合を苦手としています。

そのため、V型や水平円筒型等は円錐スクリュー型や単軸リボン型のような攪拌羽根を持つ混合機と比べて混合に時間がかかる傾向があります。

しかしSANMIXでは図-2に示す通り、攪拌羽根を有する混合装置と遜色ない混合速度を持つことがわかります。

これは以前こちらの記事でご紹介しましたように高いせん断力を持つこと、また別の記事で紹介しましたように他の容器回転式混合機と比べて大きな回転数で運転できることによって、より強い外力を粉体に加えることができるためであると考えられます。

このようにSANMIXは容器回転式混合機でありながら、高い混合性能を持つ混合機であるということができます。

今後もこのような混合性の検証試験を随時行っていきます。

弊社に試料を送付いただければ、テストをさせていただきますので、ぜひお問い合わせください。

以下のリンクをご参照ください。

 

→テスト依頼はこちら

→お問い合わせはこちら

1)(社)日本粉体工業技術協会 協会規格集
http://appie.or.jp/shirumanabu/standard/

2)(社)日本粉体工業技術協会編(2001) 粉体混合技術 日刊工業新聞社