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[技術情報]_粉体混合機開発ヒストリー(Ⅱ)

2023/02/20

前回は弊社が揺動式遠心バレル研磨機を開発する経緯とその構造についてご紹介しました。今回はそこから粉体混合機の開発に至る経緯についてご紹介します。

さて自社開発した遠心バレル研磨機ですが、基本的には弊社と同じ金属加工業のお客様をメインに販売しておりました。そんなある日、そのお客様からご紹介でご来社いただいた方から次のようなご提案を受けました。

「この研磨機でセメントを混ぜられないか?」

そのお客様はセメントを主原料としたセンサの開発・製造をされているメーカの方で、セメントとある溶剤を均一に混ぜる装置を探しておられました。研磨剤と細かな部品が均一に混ざるのであれば、同じ理屈で粉同士も均一に混ざるのではないかという発想です。

弊社としては、それまでそのような発想はなく粉体に関する知見もありませんでしたが、このご提案に可能性を感じ、粉体混合機に改造に着手しました。

 

 

まず手始めにセメントと片栗粉をバレル研磨機で混ぜてみました。図-1が弊社の研磨機で混ざたもの、図-2が研磨機を改造してタンクの傾きをゼロにして混ぜたものです。傾きをなくした方では遠心分離器にかけたように両者が綺麗に分離してしまいました。それに対して弊社の研磨機では肉眼でわかるような分離は見られず、よく混ざっているように見えます。

図-1_セメント+片栗粉の混合(タンクの傾きあり)
図-2_セメント+片栗粉の混合(タンクの傾きゼロ)

 

このように弊社の研磨機を使用すれば粉体が良く混ざることがわかりましたが、粉体混合機として使用するには以下の2点について検討する必要がありました。

①異物混入防止のため、粉体の保管容器をそのまま装置にセットできる機構を持つこと

②混合度について見た目だけでなく定量的に評価する手法を確立すること

 

①については図-3のようなアダプタをお客様の保管容器の形状に合わせて製作することにより解決しました。

図-3_容器アダプタ断面図

②については粒度分布測定装置を導入することで目視では分からない混合の度合いを確認することができるようになりました。また弊社では社内での仕上作業用に様々なサイズの研磨材を用意しておりますので、それらを用いてSANMIXの混合の特性を評価し、お客様のご要望に対して適切なご提案ができるようノウハウを蓄積しました。

図-4_粒度分布測定装置

 

以上のような改造やノーハウの蓄積を基に生まれたのが”SANMIX”です。

 

この記事で混合機だけでなくバレル研磨機にご興味を惹かれましたら、下記リンクからお問い合わせください。混合機、バレル研磨機いずれでもお客様から試料をお預かりしてテスト運転をさせていただきます。

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