混合事例MIXED CASE

[混合事例紹介] 回転速度・回転パターンの効果

2021/10/21

今回は容器の回転速度や回転パターンが混合結果に与える効果について検証しました。

使用した粉体はアルミナ研磨材(WA100;粒径180μm)とアルミナ研磨材(WA280;粒径50μm)の組み合わせです。
両方白い粉ですが、180μmの方は半透明でキラキラとした粉砂糖のような見た目なのに対して50μmの方は真っ白で光沢がなく小麦粉のような見た目をしています。(図-1)

図1_混合前の状態

この組み合わせはSANMIXが特に不得手としており、単純に最高速度(240rpm)で混ぜると30分回しても図2のように上下に分離したままの状態です。

図2_240rpm_30min運転後

この容器内の20か所からサンプリングを行い、粒度分布を測定したデータを図-3に示します。表面付近ではWA100(粒径180μm)のピークしか現れず、底部ではWA280(粒径50μm)のピークしか見られません。ここから算出した混合度は約25%と非常に低い値となりました。(このグラフの測定方法や見方はこちらの記事をご参照ください)

図-3_運転条件240rpm×30minでの各サンプリング箇所の粒度分布グラフ

 

そこでまず回転速度を下げてみます。

SAMMIXは5~240rpmの範囲で回転速度を設定できますが、余り遅すぎると粉が動かないため、動き始めるギリギリの速度である125rpmに設定しました。
真横から見ると、240rpmの時とは異なり両者は混ざっているように見えるのですが、上から見ると表面はキラキラとした半透明のアルミナ研磨材(粒径180μm)で覆われており、真っ白なアルミナ研磨材(粒径50μm)はほとんど確認できません。

粒度分散装置でバラツキを評価したところ、混合度は63%まで向上しました。

 

最後に回転数は維持したまま、回転パターンを「30分間連続」から「(3分運転+停止)×10セット」に変更しました。
先ほどの運転条件とは異なり、上から見ても同じように真っ白になっており、全体的に混ざっているように見えました。

粒度分散装置でバラツキを評価したところ、混合比の分布は図-4となり、混合度は89%と出ました。
このように回転速度や回転パターンを最適化することで、混合度が劇的に向上することがわかりました。

図-4_運転条件125rpm×3min×10setでの各サンプリング箇所の粒度分布グラフ

 

以上の結果を色で表したものが図-5となります。
白は粒径180μmの粉体が100%という状態を、黒は粒径50μmの粉体が100%という状態を表し、容器全体的に灰色であれば均一に混ざっているといえます。

図5_回転速度・回転パターンの効果まとめ

回転数や回転パターンを変えることで、混合比率が容器全体に均一に近づいていくことがわかります。

 

今後もこのような混合性の検証試験を随時行っていきます。
弊社に試料を送付いただければ、テストをさせていただきますので、ぜひお問い合わせください。
また今回混合性の評価に使用しました粒度分散装置とそれを用いた混合度の評価方法については以下のリンクをご参照ください。

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