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[技術情報] 混合過程の数値シミュレーション (2)(離散要素法 : DEM)

2022/04/25

今回も前回に引き続き、離散要素法(DEM)を使用したシミュレーションを行います。

前回は混合容器の自転軸に垂直な面上における粒子の2次元的な動きについてSANMIXと一般的な遊星式混合装置で比較を行いました。今回は計算に使用する粒子の数を1000個に増やし、容器の軸方向も含めた3次元的な粒子の動きを比較します。

早速ですが、以下のシミュレーション結果をご覧ください。(図-1の向きで撮影しています)

図-1_シミュレーション撮影条件

SANMIXの方が容器の軸方向に大きく動いていることがわかります。この理由を以下で説明します。

図-2、3にSANMIXと一般的な遊星式混合装置それぞれにおいて容器内の粒子に働く力を示します。一般的な遊星式混合装置では容器は常に公転軸に向かって傾いているため、容器の軸方向には下向きの力しか働きません。それに対してSANMIXでは図-3に示した通り、容器が傾く向きは公転中心軸に対して変化するので、容器の軸に対して上向きの力と下向きの力が交互に働きます。

図-2_粒子に働く力の図_一般的な遊星式混合装置
図-3_粒子に働く力の図_SANMIX

この結果、SANMIXでは粒子は容器の軸方向の動きも含めた3次元的な動きとなり、高い混合性能を実現できていると考えられます。

尚、今回の計算条件において遠心力の軸方向成分は容器底部の粒子に働く重力の約1.7倍の大きさであり、重力に反して粒子を持ち上げられる力の大きさとなっています。

今後もこのようなシミュレーションを行っていきます。以前実験を行った回転数の影響粉体の流動性の影響についても検証していこうと思います。

 

参考文献

[1] (社)日本粉体工業技術協会編, 「粉体混合技術」, 日刊工業新聞社 (2001)(https://pub.nikkan.co.jp/books/detail/00000593

[2] 酒井幹夫, 茂渡悠介, 水谷慎, 「粉体の数値シミュレーション」, 丸善出版 (2012) (https://www.maruzen-publishing.co.jp/item/b294230.html

[3] 湯晋一, 梅景俊彦, 「粉粒体の流れの数値シミュレーション」, 鉄と鋼 Vol.81 (1995) No.11 (https://www.jstage.jst.go.jp/article/tetsutohagane1955/81/11/81_11_N556/_pdf