今回はSANMIXの混合原理についてご紹介します。
SANMIXは遊星式混合装置の一種ですが、一般的な遊星式の機構に加えて独自の機構を盛り込むことで混合性能を高めています。
まずは一般的な遊星式混合装置についてご説明します。
図1示した模式図のように試料を入れた容器が自転をしながら一点を中心に公転も行います。
このような運動の場合、まず容器の自転により試料が容器内を対流します。
この対流によって生じる切り離し、折り畳み、重ね合わせなどの効果で濃度のむらが減少します。
また粉体層間・粉体-容器間の速度差によってせん断力も働きます。
更に公転により生じる遠心力も加わります。
容器は公転軸に対して傾いているため、遠心力は自転軸方向へのせん断力としても働きます。(図2)
これらの3次元的な各種の力により攪拌翼などを使用せずに高い混合性能を実現しています。
弊社のSANMIXでは上記の原理に加えて、自転軸方向のせん断力を更に強く複雑にする工夫として「容器の傾きの向きを公転の中心方向ではなく、装置の外から見て一定方向となる」という機構と取り入れました。
従来の方式では中心から見た容器の傾きは変化しないので、遠心力を受けても容器に沿った下向きのせん断力しか掛かりません。
しかしSANMIXの方式では中心から見た時に傾きが±5%の範囲の変化を繰り返すので、上下両方向にせん断力が掛かります。(図3)
この結果として従来より複雑で強い力を材料に働かせることができ、混合性能が高まるとともに混合時間の短縮や凝集体の分散などの能力も向上させることができました。