今回はSANMIXが得意とする粉体の特徴についてご紹介します。
一般的に異なる粉体を合わせたものに回転や振動等の力を加えた時、均一に混ざる場合と両者が分離してしまう場合があります。どちらが起こりやすいかは粉体の組み合わせや加える力の大きさ、運転パターンなどによって変わります。そして一般的な傾向として、種類の異なる粉体であると分離しやすく、また粒径の差が大きいほど分離しやすいと言われています。
そこで下記の2種類の組み合わせについてSANMIXの混合性能を検証しました。図-1に各粉体の写真を示します。
①アルミナ研磨材(WA280;粒径50μm) + アルミナ研磨材(WA3000;粒径4μm) 50gずつ
②アルミナ研磨材(WA280;粒径50μm) + 炭化ケイ素研磨材(GC3000;粒径4μm) 50gずつ
①はアルミナ研磨材同士で粒径の差は12.5倍。②はアルミナと炭化ケイ素の組み合わせで、粒径差は①と同じ12.5倍です。
さて①をSANMIXにセットし、回転数240rpmで30分間混ぜました。その後、容器内の20か所からサンプリングを行い、粒度分布を測定しました。そのデータを図-1に示します。(サンプリングや測定の方法につきましては、こちらの記事をご参照ください)
容器内で満遍なく、両粉体がほぼ同量ずつ存在していることがわかります。混合度は97.2%と高い値をなりました。
次に②の粒度分布データを図-2に示します。こちらも均一に混ざっていることがわかります。混合度は94.2%とこちらも高い値となりました。
※炭化ケイ素(GC3000)の山の方が大きく見えますが、これは炭化ケイ素の方が密度が小さいため、50gずつ混ぜた今回の検証においては体積では炭化ケイ素の方が大きいことが原因です。(縦軸は体積比率)
他の混合機では、機種によっては粒径差数倍でも分離してしまうことがありますが、SANMIXではご覧の通り10倍以上の差があっても問題なく混ざっております。
また以前こちらの記事でご紹介しましたように、SANMIXでは回転数や運転パターンを最適化することで混合性能を向上させることができます。今回の検証では特にそれらは意識せずに設定した運転条件で混合して、この結果ですので混合性能の高さはわかると思います。
さてこのようによく混ざる粉体の特徴ですが、「流動性が低いこと」が挙げられます。詳細はこちらの記事で紹介しておりますが、粉体の流動性が低いほど両物質間の速度の差が小さくなり、分離しにくくなると考えております。
流動性が低いとは具体的にどの程度かといいますと、これまでの経験上、図-1のWA3000、GC3000ように見た目が片栗粉のようなレベルの粉体ですと簡単に混ざる傾向があります。また図-1のWA280のような粉薬レベルの流動性でも比較的混ざりやすい傾向があります。
逆に砂時計の砂のようにサラサラの粉と混ぜる場合は運転条件の調整や添加物の使用等が必要となる場合があります。
今後もこのような混合性の検証試験を随時行っていきます。
弊社に試料を送付いただければ、テストをさせていただきますので、ぜひお問い合わせください。